今、やれることは・・・

平成最後の正月を迎えあと退職まで3ヶ月。

島で役立ちそうな資格を取得しよう。

それは、船の免許とドローンの資格です。

船舶免許は移動手段として必須です。さっそく仕事関係で30年のお付き合いのあるボートスクールに相談したところ「試験を含めた3日コース。知り合いでも厳しく指導するので覚悟するように」と気合を入れられ、3月17日からの講習と22日の試験が決まりました。

次にドローンです。過疎化の進む島では多種多様の方面で無限の可能性が拡がるのではないかと思いました。まずは、ドローンとはなんぞや?から勉強します。

西海市役所と江島へ (2019年1月9日から1月12日)

1年前の56歳の時、「がん」が発見され腫瘍を取り除く手術をしました。今は半年毎に検査を受けていますが、再発もなく元気な生活をおくっています。

それまで、仕事以外でやりたいことは、そのうち、そのうち、と先送りにしてたと自分は思っています。(人は好き勝手なことをやっていると言いますが…)

しかし、「がん」にかかってからは、先送りをしているとやれなくなる。後悔しても遅い。と強く感じるようになりました。

そんな中での「江島」との出会い

仕事を勤め始めて40年。手掛けている大きなプロジェクトも間もなく終了。二人の子供もすでに自立。妻は「決めたんだったらいいんじゃない」と…

毎年、秋口から来年春の早期退職の希望を募る。

仕事はやれるだけのことはやった。足跡も築いた。仕事をやめて何ができるかわからないけど、踏み出さないと何も始まらない。草刈機やチェーンソーは使えるから、草刈りぐらいはできるだろ。

決めました。江島で新たな挑戦をすることを。

12月に入って平成最後の春退職が内定しました。年末に所用で大阪を訪問していた福田さんにお会いして、気持ちを伝えました。

再び島へ

 

 今回は、福田さんが西海市役所の「島の暮らし支援室」に紹介して頂けるというので、朝一番の飛行機で長崎空港へ、リムジンバスに乗り換え長崎駅へ、更に各停留所とまりの路線バスに約2時間揺られてようやく西海市役所に到着。このルートしかないから仕方がないけど、滅茶苦茶遠かった??

市役所の方は親切で明るい人ばかり

みなさんが聞くことは、なぜ名古屋から江島を選択?江島で何をしたい?

そりゃそうでしょ…

今までの経緯は説明をしましたが、この先のビジョンが自分の中でもぼんやりしているので、きっと皆さんは「そんな行き当たりばったりでいいの?」と心配になったかと…

大工の林さんが軽トラで迎えにきてくれ、林さんの愛船「はやぶさ」で江島へ

*林さんは軽トラを平島、江島、崎戸にそれぞれ置いてあるそうです。

あっという間に江島の玄関、丸田港に到着

さとやさんの看板犬のホープがお出迎え

 

島には同じような道がいっぱいあり、よそ者は迷子になります。

観光地図はなく国土地理院の地図があるだけです。(夏には役場が観光マップを作成し配布するようになりました。)

今回は、福田さんから車を貸していただき、あちこちウロウロ、自分なりに島全体を把握しました。

分岐点の写真と地図アプリで把握

新しく出来た「さとや」さんの事務所を借りて、把握したデータから自家製地図を作成

島には何でも揃う高瀬商店さんがあります。このレトロ感がたまりません。

福田さんは民泊のほか、ブルーベリー農園と羊牧場を運営しています。

二つとも自らが開拓した施設

お話を伺うと、その場所は草はボウボウ、大小の石がゴロゴロの不毛の場所で毎日手作業で整備したそうです。すごいです。

今は、隣島の平島から大工の「林さん」が作業に来ています。林さんはさとやさんの新しい事務所を作ったり、重機を操って開拓したり、何でもできるスーパーマンです。福田さんは林さんを「師匠」と呼んでいます。

羊牧場には展望台があり、そこからも見る風景は絶景です。

この日は天気がすぐれませんでしたが、天気の良い日は真っ青な海と空が広がります。

 

あっという間に離島の日。

島の夜は体験したことがないほどの静寂。よく眠れました。

福田さんといろいろ話をしましたが、何を島でしたいのか? 生活スタイルは? 移住? 生業は? 何一つも決まっていません。

それらを解決してから仕事を辞めるものなのに、「何とかなる」と・・・・  これは暴走?

   

福田さんと林さんの見送りです。

やはり船が離れると無性に寂しくなりました。

また来ます。と叫んだけど不安が急にこみ上げて…

島が小さくなり、ぼんやりと小さくなる江島を眺めていてふと「江島は女性が寝ている姿に見える」と言っていたことを思い出し…

おー!見えますねぇ 女性の寝姿だぁ!

海を眺めながら、いろいろなことを考えていたら、あっという間に佐世保港に到着です。

期待と不安

とにかく前へ進もう。

初めての江島 (2018年11月7日から11月11日)

佐世保港は風もなく穏やかでした。

約2時間の船旅

アクシデントなく無事到着です。

福田さんが運営する民宿「さとや」さん。 今日からここのゲストハウスでお世話になります。島でびっくりしたのは、トイレが水洗なんです。都会では当たり前ですが、離島では凄いことですよね。

 

島では、色々な体験をさせていただきました。(写真を撮ることすら忘れ数少ない写真を紹介します。)

ブルーベリー農園周辺の草刈りをしたり

 

さとやさんの新しい事務所を作っている隣の島からやってくる「大工の林さん」のお手伝いをしたり、

 

外国製の天体望遠鏡を組み立てたり

 

 

自然にもいっぱい癒されました。

 

 

あっという間の4日間

この島には、他の島にはない不思議な魅力がたくさん

ここで何かやれないか。

前からぼんやり「からだが元気なうちに仕事をやめて、新しいことに挑戦したい」そんな気持ちが自分の中で大きく膨れ上がってくるの感じた4日間でした。

そして島へ

江島のことが頭から消えず、テレビで紹介していた民泊「さとや」さんに連絡。

テレビの女性、福田さんは「一度おいでください。とてもいい島ですよ。」と快く受け入れてくださり、一人旅のため日程はお店に合わせることに。

数日して、10月4日(2018年)から4泊5日で島へ渡ることが決まりました。

出発の前日、福田さんから「風が強くてフェリーが欠航になるかもしれない」と再考を促していただきましたが、根拠もない自信「多分大丈夫!」ってノリで新幹線に乗って出かけました。

しかし?  博多に到着寸前、船が欠航になったと連絡

…… 博多ラーメンを食べてとんぼ帰りです。

再調整?再挑戦?は、11月7日からの3泊4日となりました。

江島との出会い

江島と出会ったのは30年ほど前。全国の島にバイクで渡ることに夢中になっていた頃、五島列島行きのフェリー埠頭で江島行きのフェリーを発見。                  

どんな島なんだろう。興味津々。     

しかし当時のツーリングマップは江島、隣島の平島は空白部分。ネットも普及していなかったので何も情報が得られませんでした。

ただ地図にも載っていないミステリアスな島として記憶の片隅に残りました。

その後10年ほど、江島のことはすっかり忘れ、屋久島、八丈島、礼文島などメジャーな島めぐりに明け暮れ、いよいよ離島ネタが尽きかけた頃、ネットで「離島」「国境」「秘境」などをキーワードに島を物色中「江島」と再会しました。

しかし地図を見て愕然 フェリーで渡れるのに走る道がない!!

うーん… またまたお蔵入りへ…

2018年3月、たまたまついていたテレビの番組で江島を紹介しているではありませんか。

あっ!あの島だ!

番組では高齢化が進む島の現状や問題を取り上げ、そんな島を元気にしたいと奮闘する女性を紹介していました。

どこまでも青く澄んだ海、緑が眩しい森、自然の宝庫、楽園といった言葉が似合う。    

しかし現実は高齢化で人の姿は見かけない。森は猪が我がもの顔で走り回り畑を食い尽くし、台風で倒れた木々はそのまま…

その女性は、華奢な体にオレンジ色の鮮やかなつなぎ服をまとい、力仕事から羊の世話、更に民泊の運営など一人でこなしていく。祖先が生活してきた島が消滅の危機にあることを危惧し島に戻り、様々なアイデアと行動で島の活力を取り戻そうと一生懸命な姿に圧倒されました。

その日から「江島」が頭から離れなくなりました。

CIELO AZUL? 江島?

CIELO AZUL  (青い空/スペイン語) 

「cielo(シエロ)」は「空」、「azul(アスール)」は「青」

江島(えのしま)

佐世保港からフェリーで約2時間

長崎県西彼杵半島西方沖にある国境の島

住所は「長崎県西海市崎戸町江島」

その昔、平家の落ち武者が流れ着き、故郷の神奈川県江の島に似ていることから江島と命名したとされる。