進路を北から西へ

出発前の計画では、3日目は更に北、岩手県を目指す。…はずだった。

昨日の地獄の峠越え恐怖体験で、これ以上北へいくのは無茶だと確信した。

今日は進路を西にとり新潟をかすめた後、南西方向の長野へ

福島と新潟を結ぶ国道252号線と魚沼スカイラインがメインになる。

342キロ、7時間19分。

天気は晴れ、気温10℃

 

昨晩はテレビで天気が崩れると言っていたので、憂鬱な気分で雨装備を準備、最悪な一日になるかも知れない。と思い早く休んだ。

  

朝起きてカーテンを開けると、若干雲はあるもの青空が広がっていて胸を撫で下ろした。

ぬか喜びを疑い、今日のコースを雨雲レーダーでたどってみたが雨雲はどこにもなかった。

ナビは昨日、死ぬ思いで走ってきた土湯バイパスを示している。

猪苗代までは昨日の逆コース。今日も磐梯吾妻スカイラインスカイラインは通行止めだ。

昨日泣きながら下ってきた地獄のバイパスを今日は軽快に上っていく。日がさしているので暖かく走りやすい。

勾配はきつくコーナーも多い。それに頂上までの距離が長い。

こりゃぁ、ここをみぞれの降る夜に下ってくるのは怖くて当たり前だ。

    

猪苗代まで一気に行くと前に磐梯山が見えてきた。

黄金の稲穂、青空、雲のかかる磐梯山

絶景が広がる。

風もないのでドローンを離陸させた。

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今日は雨降りで撮影はできないと思っていたが、穏やかで最高のコンディションのなった。

最悪から最高の一日になりそうだ。

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会津若松、会津坂下、会津柳津などなど

ここら辺は地名には頭に「会津」がつくのが多いなぁ… と思いながら田園の中を走る県道で西へ向かう。

途中から道は、国道252号線に変わり山の中へ。

この国道252号線は酷道252号線とも言われる交通の難所である。

道路を雪崩から守るトンネルみたいなスノーシェッドの数が多いことからも険しい山岳道路であることがわかる。

只見からの道は半端なく上がるつづら坂で、所々で災害復旧の工事をしている。

ガードレール、ガードパイプといった類のものはなく、高所恐怖症の自分は何度も足の付け根あたりが寒くなった。

込み上げる恐怖感から、とまって写真を撮ることなく、ひたすら遠くの山々を見ながら走破した。

  

驚いたのは、この国道に沿う形で鉄道が走っているのだ。

奥秘境路線で鉄オタの中では有名な「只見線」。

これだけ見ると秘境感が出ないが、とにかく凄いところを走っている。

一日数本が運行され、2011年の豪雨災害により被害を受け現在も復旧作業中である。

  

魚沼市に入ってから暫く街の中を走行。

魚沼スカイラインは、林道を舗装したような道が、いくつもの山の尾根を繋いでいる。

スカイラインのイメージとはかけ離れていたが、この感じは嫌いじゃない。

道路下にはスキー場があり開けているので、その先の魚沼市を一望できる。

きっと夜景は綺麗なんだろう。

結構な距離があったスカイラインを下り、国道353号線を経由して国道117号線へ

新潟から長野ってとても遠いイメージがあったけど、実は近いことがわかった。

信濃川沿いの国道117号線に入ると道路案内に長野県の地名が入るようになった。

信濃川は長野県に入ると千曲川と名前を変える。長野県の飯山市あたりから夕方のラッシュに巻き込まれ渋滞が始まった。

片側一車線なのですり抜けることもできずボチボチ進み、6時にはホテルに着いた。

   

今日はメジャーなルートイン

長野県内のホテルはどこも満室状態だった。このルートインも禁煙室は満室で、空いていたのは喫煙ダブルの部屋しかなく仕方なく予約した。

駐車場は混雑、バイクも何台かとまっていた。

チェックインを済ませ、部屋に入ると煙草の匂いは全くしない。よかった。

  

ルートインは内湯があるので大浴場へ

奇跡的に誰も入っていなかった湯船に浸かっていると、高校生のような鍛えた体のお兄ちゃんが次々入ってきた。

今の高校生はさすがだ。洗い場で髭じゃなくてすね毛を剃っている。まめだ。

みんな礼儀正しい感じがした。

聞いてみたら、明日、高校サッカー長野県大会、準々決勝に出場する上田西高校のサッカー部のメンバー。

なんとも気持ちのいいお兄ちゃんたちだった。

市内のホテルが混んでいたのは、この大会が影響しているのかもしれない。

  

晩御飯は、ホテルに隣接する居酒屋のテイクアウトメニュー、晩酌セットBにした。

枝豆と餃子、唐揚げ、ポテトといった禁断のセット1000円なり。これにおにぎりを追加

こんな感じ。

これにビールをつければもうメロメロ。

一人宴会を楽しみ、最終日の明日に備えてダブルベットを独り占めにして眠りについた。

(10月22日)

地獄の峠越え

2日目は福島へ

予定していた「磐梯吾妻スカイライン」「西吾妻スカイバレー」が軒並み凍結のため通行止になった。

今回の旅のメインで撮影もしたかったのに残念でしょうがない。

気持を切り換えて群馬、栃木県境の「金精道路」、栃木県の「霧降高原道路」をメインとしたコースにした。

327キロ、7時間5分。

昨日とあまり変わらないが撮影ポイントがたくさんあるので福島到着は遅くなりそう。

天気は快晴、気温は昨日の新和田トンネルと同じ10℃。

寒さに慣れたのか、さほど寒く感じない。

今日も装備は真冬バージョンのフル装備

 

朝の通勤ラッシュを抜け徐々に山道へ

金精峠(金精トンネル)へ向かう金精道路は静かで緑豊かな道だった。

この先、峠を越えると中禅寺湖、日光湯元温泉、東照宮、いろは坂につながる。

高度を上げると風はどんどん冷たくなり、山の頂には雪。

なんとも嫌な予感…

不安は的中

澄んだ青空はどんより澱み、路面はウエット、木々は雪化粧

真冬だ。

気温が5℃なので凍結はほぼ無いと踏んだが、ひょっとしたらと思うと気持ち悪い。

この路面状態で、カーブに続くカーブで高度をぐいぐい上げる。

  

途中、道の駅に立ち寄ったら、こんな時に、こんな場所に来ているバイク馬鹿が何台も…

みんな遠くのナンバーばかり。「全国バイク馬鹿協会」が立ち上げられそうである。

栃木県側から上がってきたライダーから、峠までウエットな道が続き峠のトンネルを越えると天気は晴れ、路面はドライ。といった情報をゲット。

  

トンネルを抜けると情報通り、今までの状況が嘘のように青空が広がり道は快適だった。

眼下に湯ノ湖と日光湯元温泉が見えてきた

中禅寺湖畔

外国みたいなロケーション

色づき始めた中禅寺湖

中禅寺湖周辺から徐々に車が増え、観光スポット周辺では渋滞が発生

コロナが収束に向かっていることを肌で感じ、渋滞も嫌ではなかった。

東照宮、いろは坂を抜け「霧降高原道路」へ向かった。

 

高原道路の名の通り開放的な道だった。

ハイスピードで走り抜ける爽快感。

ちょっと寒かったけど、気持ちのいいコーナーが続いた。 

この時点で午後2時。福島までまだ200キロ弱ある。

ここまでドローンは風やら寒さやらで飛ばせなかったが、まあ順調にカメラ撮影はできた。

そろそろ走り重点にスイッチを切り替えないと福島につかない。

         

ここからの200キロは寒さとの戦いだった。

    

福島の猪苗代湖から福島市へ続く国道115号線土湯バイパスの峠越えは怖かった。

このバイパスは凍結のため通行止めになっている「磐梯吾妻スカイライン」に接続している山越えの道路。

時間は午後5時半過ぎであたりは真っ暗。気温はどんどん下がってくる。

猪苗代からの上り道は、前の車に追従する形で、難なく頂上付近に到達。

   

しかし、この後地獄が始まった。

    

頂上あたりでみぞれが降ってきた。下りは街路灯が全くなく前の車に離されたらお先真っ暗。

ヘルメットのシールドにみぞれがくっつき前が見にくいので、上にあげたまま走行。

路面状況はウエットでみぞれが降っているので滑りやすい。

寒い! 水滴が顔に当たり痛い! 前の車においていかれ前が見えない!

  

更に交通の要所でもあるので、後ろからトラックが迫ってくる。

それも何台も後ろについてきてる。

道路端によることもできない。

  

体はガチガチに強ばりロボット状態。

前照灯は1つ! とにかく暗い! 

   

命には変えられないので対向車が来ようとハイビームをキープ

察してくれた後ろのトラックが、早く行けハイビームではなく、安全確保のためのハイビームにしてくれた。これには助かった。

夜景が有名なバイパスなのに、そんなもん見る余裕は全くなし

なんとか転けず、トラックに轢かれることなく下界に辿り着いた。

トラックに感謝

 

午後7時過ぎに宿に到着。

この日の宿は、福島サンライズパンション

メジャーなビジネスホテルが満室だったのでこの宿を選んだ。

一泊2食付きで4500円。激安!クチコミは好意的なコメントが多かった。

9階建て。フロントへの入り口がわからない。

電話で聞いたらおっちゃんが出てきてくれた。

なんとフロントがない。受付のカウンターがあるのみで、そこにはストーブが…

なんか雰囲気がホテルじゃない。

おっちゃんに聞いたらパンションはフランス語でアメリカ的に言えばペンション。

だから二食付きだしフロントもない。

遅くて心配しました。って雰囲気が暖かい。

   

最上階には大浴場と食堂があって眺めは抜群。

夕食は食堂のおばちゃんが作ったカツカレー。

この感じも暖かい。

独身時代に入っていた寮を思い出した。

  

朝、出発の時、受付のおっちゃんとオーナーさんが見送ってくれた。

いい宿だった。

(10月21日)

真冬の装備

群馬県前橋市を目指して早朝に出発

天気は快晴、気温は15℃

基本的に高速道路は?

季節を感じながら地道を行くこととした。

装備は前日に迷った末、準備していた秋冬バージョンから真冬バージョンに切り替えた。

317キロ、7時間20分の道のり。

新和田トンネルだけ有料道路を使用した。

今までの経験から、地道の300キロは物足りなさを感じる。

しかし、時間に追われるのも嫌だし、日も短くなっているのでこのルートにした。

 

街中は、偉大な太陽のおかげで暖かく気持ちがいい。

木曽路に入ると日陰が多くなり、少しづつ寒さが増してきた。  

 

冬の気配を感じながら諏訪湖から更に北へ 

長野と群馬県境の峠は気温が10℃ 、風が強く温度以上の寒さを感じる。

  

フリースを着込み、パーカーのフードを被りその上からヘルメット被った。

まさか初日から真冬のフル装備にするとは思いもよらなかった。

秋冬装備だったらと思うとゾッとした。

  

実は「真冬の装備」の上には「厳冬の装備」なるものもある。

ひょっとしたら、明日以降に「厳冬の装備」を選択しなかったことを後悔するかもしれない。

…なんて頭をよぎった。

  

午後6時頃に前橋に到着 

昨日、じゃらんで検索すると前橋市内のビジネスホテルはどこも満室

ググって直接ホテルに予約したグレースイン前橋

隣にコンビニがあり朝食付きで4500円

バイクも止められてまずまず。

  

晩御飯は居酒屋にでもと思っていたが、周辺はやっていそうな気配が感じられない。

仕方なくコンビニで買い込み豪華晩御飯とした。

  

今日は、何度か走行したことのあるルートだったので特に撮影ポイントもなく、バイク走りを楽しむ1日だった。

明日からが本番

(10月20日)

季節

突然、夏が終わった。

コロナもようやく終息へ向かっているようだ。

 

お寺でジャズライブ

毎年恒例のイベントのサポートで関市へ

お寺って寛大でジャズやロック、ダンスミュージック

なんでも受け止めてくれる。

そして、お寺ってめちゃくちゃ音がいい

リハをやっている横で住職がゴソゴソとしている。

摩訶不思議な感じ

昨年はコロナで中止になったが、今年は開催できてよかった。

   

その帰り道、豊田市で突然大きな花火が

脇道にそれたら絶好のビューポイント

どうも豊田市子供祭りの花火らしい。

地元の方も音に気がついて外に出てきた。

夏が終わり空気が澄んでいたので綺麗な花火だった。

  

コロナの宣言等が解除され街は少しづつ明るくなってきた。

以前から東北方面でドローン撮影をしようと何箇所ピックアップしていたので、

今がチャンス

小型のドローンを担ぎ、旅の準備を整えてバイクで出かけようとしたところ、いきなり東北の山は雪

一番の目的地であった岩手、秋田県を走る「八幡平アスピーテライン」は凍結のため全面通行止め

出発できずルートを再検討

愛読書「日本百名道」と「新日本百名道」と「Yahooカーナビ」で再ルート設定

北は福島までとして、長野、群馬、栃木、福島、新潟あたりの5日ほどのルートを設定。

天気が良さそうな明日(10月20日)出発予定。

 

冬将軍様 もう少し休んでいてください。

新しい相棒

HONDAからMAZDAへ

新しい相棒はMAZDA MX-30

前の相棒同様、荷物の積載性は良い。

以前から「SUVとハイブリット車は乗らない」って公言していた。

この車はSUVのハイブリット車

嘘つきである。

新車登録台数が月千台って

希少価値の車?

  

基本二人のりで補助的な後部座席がついている。が正解かもしれない。

ファミリーには使い勝手が悪すぎる。

遊び人のわがまま じゃなくて こだわり車とも言える。

     

何がいいって言うとガソリンを食わない

今までの相棒は大食漢で、夏場はリッター5キロ程度しか走らなかった。

今度の相棒はその倍以上走る。

ただ、親切すぎてアラームがやたらに鳴るのが気に入らない。

わかってる!って何度言ったことやら…

末永いおつきあいになるので、こちらが慣れるしかない。

歳なんだから…

相棒の引退

HONDA アコードワゴン2000年式

22年間お世話になった相棒

ライブのサポートで遠くは茨城県鹿島市や石川県輪島市、

ここ数年は、長崎県五島列島東に浮かぶ江島に何度も行った。

(2019.7 長崎県西海市江島)

   

(2019.10 長崎県西海市江島 碁石浜)

長崎へ行き始めた時、10年10万キロを越えていたが、片道900キロ越の道のりを難なく走破してくれた。

(2013.1.9 撮影)

昔、ライブのサポートで真夏に甲府市へ行ったとき、オルターネーターがやられエンジンを止めると始動できなくなるトラブルを抱えたが、踏ん張って名古屋まで走ってくれた。

ホンダにたどり着いた時はオイルは漏れまくり、エンジンを止めたら再始動はできなかった。1週間ほど入庫して元気になったが、信頼のできるいい相棒だと思った。

他にはパンクが2回ほどあっただけで、大きなトラブルはなかった。

(2010.3.27 長野県青木湖畔でパンク)

    

季節を問わず何処でも連れて行ってくれた。

     

長野県青木湖

   

長野県 白馬さのさかスキー場

    

静岡県 舞浜

      

ここ数年は修理が多くなり、ついに要のブレーキがオーバーホールが必要になったことから引退を決めた。 

半導体不足などで新車の納車が遅れたことで、なんかホッとしたような不思議な気分になった。

ブレーキの警告灯がついたり消えたりしていたが、ここ1ヶ月は全く点灯する事なくノントラブルで有終の美を飾ってくれた。

22万5513キロ

よく走ったなぁ

感謝しかない

ありがとう