地獄の峠越え

2日目は福島へ

予定していた「磐梯吾妻スカイライン」「西吾妻スカイバレー」が軒並み凍結のため通行止になった。

今回の旅のメインで撮影もしたかったのに残念でしょうがない。

気持を切り換えて群馬、栃木県境の「金精道路」、栃木県の「霧降高原道路」をメインとしたコースにした。

327キロ、7時間5分。

昨日とあまり変わらないが撮影ポイントがたくさんあるので福島到着は遅くなりそう。

天気は快晴、気温は昨日の新和田トンネルと同じ10℃。

寒さに慣れたのか、さほど寒く感じない。

今日も装備は真冬バージョンのフル装備

 

朝の通勤ラッシュを抜け徐々に山道へ

金精峠(金精トンネル)へ向かう金精道路は静かで緑豊かな道だった。

この先、峠を越えると中禅寺湖、日光湯元温泉、東照宮、いろは坂につながる。

高度を上げると風はどんどん冷たくなり、山の頂には雪。

なんとも嫌な予感…

不安は的中

澄んだ青空はどんより澱み、路面はウエット、木々は雪化粧

真冬だ。

気温が5℃なので凍結はほぼ無いと踏んだが、ひょっとしたらと思うと気持ち悪い。

この路面状態で、カーブに続くカーブで高度をぐいぐい上げる。

  

途中、道の駅に立ち寄ったら、こんな時に、こんな場所に来ているバイク馬鹿が何台も…

みんな遠くのナンバーばかり。「全国バイク馬鹿協会」が立ち上げられそうである。

栃木県側から上がってきたライダーから、峠までウエットな道が続き峠のトンネルを越えると天気は晴れ、路面はドライ。といった情報をゲット。

  

トンネルを抜けると情報通り、今までの状況が嘘のように青空が広がり道は快適だった。

眼下に湯ノ湖と日光湯元温泉が見えてきた

中禅寺湖畔

外国みたいなロケーション

色づき始めた中禅寺湖

中禅寺湖周辺から徐々に車が増え、観光スポット周辺では渋滞が発生

コロナが収束に向かっていることを肌で感じ、渋滞も嫌ではなかった。

東照宮、いろは坂を抜け「霧降高原道路」へ向かった。

 

高原道路の名の通り開放的な道だった。

ハイスピードで走り抜ける爽快感。

ちょっと寒かったけど、気持ちのいいコーナーが続いた。 

この時点で午後2時。福島までまだ200キロ弱ある。

ここまでドローンは風やら寒さやらで飛ばせなかったが、まあ順調にカメラ撮影はできた。

そろそろ走り重点にスイッチを切り替えないと福島につかない。

         

ここからの200キロは寒さとの戦いだった。

    

福島の猪苗代湖から福島市へ続く国道115号線土湯バイパスの峠越えは怖かった。

このバイパスは凍結のため通行止めになっている「磐梯吾妻スカイライン」に接続している山越えの道路。

時間は午後5時半過ぎであたりは真っ暗。気温はどんどん下がってくる。

猪苗代からの上り道は、前の車に追従する形で、難なく頂上付近に到達。

   

しかし、この後地獄が始まった。

    

頂上あたりでみぞれが降ってきた。下りは街路灯が全くなく前の車に離されたらお先真っ暗。

ヘルメットのシールドにみぞれがくっつき前が見にくいので、上にあげたまま走行。

路面状況はウエットでみぞれが降っているので滑りやすい。

寒い! 水滴が顔に当たり痛い! 前の車においていかれ前が見えない!

  

更に交通の要所でもあるので、後ろからトラックが迫ってくる。

それも何台も後ろについてきてる。

道路端によることもできない。

  

体はガチガチに強ばりロボット状態。

前照灯は1つ! とにかく暗い! 

   

命には変えられないので対向車が来ようとハイビームをキープ

察してくれた後ろのトラックが、早く行けハイビームではなく、安全確保のためのハイビームにしてくれた。これには助かった。

夜景が有名なバイパスなのに、そんなもん見る余裕は全くなし

なんとか転けず、トラックに轢かれることなく下界に辿り着いた。

トラックに感謝

 

午後7時過ぎに宿に到着。

この日の宿は、福島サンライズパンション

メジャーなビジネスホテルが満室だったのでこの宿を選んだ。

一泊2食付きで4500円。激安!クチコミは好意的なコメントが多かった。

9階建て。フロントへの入り口がわからない。

電話で聞いたらおっちゃんが出てきてくれた。

なんとフロントがない。受付のカウンターがあるのみで、そこにはストーブが…

なんか雰囲気がホテルじゃない。

おっちゃんに聞いたらパンションはフランス語でアメリカ的に言えばペンション。

だから二食付きだしフロントもない。

遅くて心配しました。って雰囲気が暖かい。

   

最上階には大浴場と食堂があって眺めは抜群。

夕食は食堂のおばちゃんが作ったカツカレー。

この感じも暖かい。

独身時代に入っていた寮を思い出した。

  

朝、出発の時、受付のおっちゃんとオーナーさんが見送ってくれた。

いい宿だった。

(10月21日)

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